コロナワクチン、金属片入っていたけどスルー? 回収された【ファクトチェック】

金属線が混入した可能性あるバターが回収されるというニュースと共に「コロナワクチンは金属片が入っていてもスルーされた」という情報が拡散しましたが、誤りです。異物混入が認められたワクチンとそのロット162万回分は回収されています。
検証対象
4月16日、「コロナワクチン 金属片入っていたけどスルーでしたね。よつば応援しています。よつ葉乳業は約628万個を自主回収すると発表」という投稿が拡散した。
この投稿にはバターの写真が添付されており、そのリンク先はよつ葉乳業が製品に金属線が混入したおそれがあるとしてバターなど628万個を自主回収するというニュースだ。

4月21日現在この投稿は230万を超す閲覧と9200のリポストがあり、「ワクチンに混入ありましたね」「確か注射器には入らないからと言う理由だったような…まぁ責任感と倫理観の違いでしょう」などのコメントがついたが、「ワクチンも回収されており、スルーされていません」という指摘もある。
検証過程
新型コロナワクチンの接種が始まった2021年の8月中旬、全国8箇所390回分の未使用のワクチン容器の中に異物があるのが見つかった(朝日新聞)。
これらのワクチンはモデルナ社製で、日本では武田薬品が流通を手がけた3つのロットのものだったため、この3ロット162万回分の使用を見合わせ、回収した。製造工程でステンレスの金属片が混入していたという(厚労省、武田薬品工業)。
判定
「コロナワクチンに金属片が入っていたけどスルーでしたね」という情報が拡散したが、誤り。金属片が混入したワクチンはあったが、回収されて原因も調査されている。
検証:宮本聖二
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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