九州大学病院にワクチンの危険性を呼びかける張り紙? 九大とは無関係な画像【ファクトチェック】
福岡市にある九州大学病院に新型コロナワクチンの危険性を呼びかける張り紙があったという言説が拡散しましたが、誤りです。画像は徳島県の診療所が「院内掲示した」と述べており、九大病院は「当院とは一切関係がございません」と注意喚起をしています。
検証対象
2024年10月2日、「九州大学病院の外来に何とワクチンの危険性の張り紙がしてありました。ついに国立の大学病院まで拒否するようになりました」という画像付き言説が拡散した。画像にはコロナワクチンを「絶対に打たないようお願いいたします」と書いている。
2024年10月4日現在、投稿は削除されている。2024年10月3日までに280回以上リポストされ、表示回数は47万回を超えていた。投稿には「デマはやめて下さい」「明らかなデマ」という指摘が多数ついていた。
検証過程
徳島の診療所「ウチの院内掲示」
添付された画像をGoogleレンズで検索すると、XなどのSNSで2024年8月ごろから多数拡散している(例1、例2)。8月に拡散した言説には九州大学病院に掲示とは書かれていない。
画像の拡散をうけ、徳島県で診療所を経営しているとするXアカウントが「実はコレ、ワタシが作ったウチの院内掲示です」と投稿している。
九州大学病院「一切関係ない」
九州大学病院は投稿の拡散をうけ、2024年10月2日にウェブサイトで「【注意喚起】新型コロナワクチン接種に関するビラについて」というページを公開し、以下のように注意喚起をしている。
当院に関係のない新型コロナワクチン接種に関するビラがSNS上に掲載されているとの報告を受けておりますが、ビラに記載されている情報は、当院とは一切関係がございません。
何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
九州大学病院長
判定
拡散した言説は2024年8月ごろに拡散した徳島の診療所のものと見られる張り紙を九州大学病院と関連付けて投稿したものだ。九州大学病院もウェブサイトで否定している。よって誤りと判定した。
あとがき
10月1日から65歳以上の高齢者を対象に新型コロナウイルスワクチンの定期接種が始まりました。今回から「レプリコンワクチン」と呼ばれる次世代型のmRNAワクチンが使われるようになりましたが、mRNAが体内で複製され強い免疫反応が得られることなどから不安を抱く人々がいます。そのため、このワクチンに対する偽・誤情報が多数拡散しています。
ワクチンを接種する際は、公的機関の発信を確認するなど、正しい情報をもとに判断することが大切です。
検証:木山竣策
編集:宮本聖二、古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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