マイナンバーカード、意識不明で運ばれたら暗証番号が分からず使えない? 目視による本人確認で対応【ファクトチェック】
マイナンバーカードに関して、意識不明で運ばれたら暗証番号が分からずに使えないという情報が拡散しましたが、誤りです。暗証番号がわからない場合、医療機関や薬局の職員が写真と本人の顔を照合して受け付ける方法があります。
検証対象
2024年12月2日、「病院ではマイナンバーカードの提示を求めますがその際に暗証番号が必要となります。もし意識不明となり運ばれた場合、暗証番号が分からず未確認となります。
無保険扱いとなる可能性もあり病院側としてもとても面倒です」という投稿が拡散した。
添付された動画はマイナ保険証に関するテレビ番組の切り抜きで、マイナ保険証の導入に伴うメリットや課題などを紹介しているが、投稿の文言自体とは直接的な関係はない。
2024年12月3日現在、この投稿の表示回数は315万回を超える。投稿について「どうしたらいいんだろう」「緊急時や事故の際のリスクも伴う」というコメントの一方で「デマはやめてほしい」という指摘もある。
検証過程
暗証番号が読み取れないときのマイナ保険証の利用
2024年12月2日、健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカード(マイナ保険証)の利用促進のため、保険証の新規発行が停止となった。発行済みの保険証は有効期限内は、最長2025年12月1日まで使うことができる。
マイナンバーカードが読み取れなかったり、顔認証や暗証番号の両方で読み取れなかったり、停電等でカードリーダーが作動しない場合、医療機関・薬局の職員がカードの写真を確認して受け付ける方法(目視モード)があると説明している(以上、デジタル庁「よくある質問:マイナンバーカードの健康保険証利用について」)。
意識不明のときには
国民健康保険中央会は、医療機関等向けポータルサイトで患者が意識不明など「同意取得が困難な場合は」という質問に以下のように答えている。
「『患者の生命、身体の保護のために必要』と判断された場合は、個人情報保護法に基づき、患者の同意なしで医療情報を閲覧することができます」
判定
暗証番号がない場合でも、職員による目視確認でマイナンバーカードの健康保険証利用が可能だ。また緊急時には、患者の同意なしでも医療情報を閲覧することができる。よって誤りと判定する。
検証:木山竣策
編集:古田大輔、宮本聖二、藤森かもめ
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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