潜在的な国民負担率は62.9%? 過去のデータで現在は改善【ファクトチェック】

潜在的な国民負担率は62.9%? 過去のデータで現在は改善【ファクトチェック】

「財務省『潜在的国民負担率、62.9%に達しちゃった』」という言説が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。2020年にはそのレベルに達していますが、現在は改善傾向で50%台です。

検証対象

2024年11月12日、「財務省『潜在的国民負担率、62.9%に達しちゃった』」「1日8時間働いて5時間分は国に取られる。五公五民どころじゃねーな」という言説が拡散した。投稿にはまとめサイトのリンクが添付されている。

2024年11月12日現在、この投稿は1.1万件以上リポストされ、表示回数は185万回を超える。投稿について「財務省が全国民の敵」「働くの馬鹿みたい」というコメントが付く一方で「公式の報道機関やニュースサイトではありません」というコミュニティノートも付いている。

検証過程

国民負担率と潜在的国民負担率

国民負担率とは、国民の所得に占める税金や年金、社会保険料などの負担の割合だ。租税負担率と社会保障負担率を合計したものを国民負担率、これに財政赤字を加えたものを潜在的な国民負担率という(財務省)。

2023年投稿のまとめサイト記事を引用

検証対象のリンクは、まとめサイト「NewsSharing」が2023年12月15日に投稿した記事だ。引用元とされる記事の文面をGoogleで検索すると、現代ビジネスが2023年12月12日に配信した記事「『国民負担』と『国民の負担』は違うぞ! それを意図的に混同させる岸田流の『ごまかし術』こそ支持率低下の一因」がヒットする。

この記事では「2004年の小泉内閣が掲げた骨太の方針で『潜在的国民負担率で見て、その目途を50%程度としつつ、政府の規模の上昇を抑制する』とあるが、かつて小泉内閣が上限とした50%をはるかに上回り、何と62.9%に達している」と書いている。

62%は2020年の数値

財務省は毎年国民負担率を公表している。財務省の「令和6年度の国民負担率を公表します」によると、2024年度の潜在的国民負担率は50.9%の見通しだ。

ただし、国民負担率も潜在的負担率も見通しと実績は異なる。財務省の「国民負担率の推移(対国民所得比)」で過去の国民負担率と潜在的国民負担率の実績を確認すると、拡散した言説の数値に一番近いのは2020年の潜在的負担率で62.7%、実績として最新の2022年で54.7%だ。

判定

拡散した言説が引用したまとめサイトの記事は2023年のもので、2024年の最新の潜在的国民負担率(見通し)は50.9%、実績値の最新は2022年の54.7%。2020年に62.7%(実績)で拡散した言説のレベルに達しているのは事実だが、現在そうであるかのような投稿はミスリードで不正確と判定した。

検証:木山竣策
編集:古田大輔


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