「日本人は川口市から出ていけ」と掲げる外国人の画像? 細部に生成AIや合成などの特徴【ファクトチェック】
「日本人は川口市から出ていけ」と書いた看板を掲げる外国人の画像が拡散しましたが、誤りです。画像には生成AIを用いた特徴があり、実際には無い合成された画像です。
検証対象
2024年8月7日、「なにこれ お前らが出ていけや」というコメント付きの画像が拡散した。画像では、外国人風の男性が「日本人は川口市から出ていけ」とプラカードを掲げ、背景には「おかしのまちおか 川口店」「松屋」などの看板が見える。
投稿は2024年8月8日時点で600件超リポストされ、表示回数は6万件を超える。投稿について「遂にこの事態」「全員捕まえてください」というコメントがある一方で、「手の込んだ合成画像」という指摘もある。
検証過程
指にAI生成画像の特徴
画像を確認すると、中央に写る男性の右手が小指から人差し指までで5本あるように見える。「日本人は川口市から出ていけ!」と書かれたボードを持った人の指も小指が非常に長い。
指などの細部の描写が苦手なのは生成AIによる画像の特徴だ。
看板の画像は「貼り付け」
次に看板を見てみる。生成AIで画像を作ると、看板の文字の描写が崩れる現象が起きる。
「松屋」「すき家」「おかしのまちおか」「保険調剤薬局」などの看板の文字は崩れていないが、後方に写る看板の文字は崩れていて読めない。
また、看板が密集しすぎていて不自然な街並みに見える。
実際の風景は
画像は実際にある場所なのかを確認するため、画像にある「おかしのまちおか 川口店」をGoogleマップで確認した。
ストリートビューで周辺を確認すると、「おかしのまちおか」の向かい側に「松屋」や「すき家」はなく、拡散した画像では右側に写っている「川口樹モール整骨院」の看板は実際には左側にある。拡散した画像の風景と一致しない。
判定
画像は生成AIや合成による加工の特徴があり、現実の街並みと異なる捏造されたものだ。よって、誤りと判定する。
検証:木山竣策
編集:古田大輔、宮本聖二
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。検証記事を広げるため、X、Facebook、YouTube、Instagramでのフォロー・拡散をよろしくお願いします。毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンからどうぞ。
また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報について質問すると、AIが関連性の高い過去のJFC記事をお届けします。詳しくはこちらの記事を。