野上英文

ジャーナリスト/JFCエディター 元朝日新聞記者。グローバルな税逃れを暴いた「パナマ・パラダイス文書」のICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)日本取材班のほか、ジャカルタ支局長として同特派員協会(JFCC)役員を3期務めた。ハーバード大元客員研究員、MIT経営大学院MBA

野上英文
ケムトレイル:政府が飛行機雲で有害物質を空から散布している?【ファクトチェック】

環境

ケムトレイル:政府が飛行機雲で有害物質を空から散布している?【ファクトチェック】

飛行機雲を、政府などがこっそりと危険な化学物質を散布している「ケムトレイル」だと考える人が世界中にいます。実際には航空機の排気ガスによってできた線状の雲で、「健康被害はない」とアメリカの公的機関などが度々否定している根拠のない陰謀論で、誤りです。 検証対象 Twitter上では、飛行機雲の写真に「#ケムトレイル」とタグ付けした投稿が、毎日のようにある。ケムトレイルとは「ケミカル」(化学物質)と「トレイル」(痕跡)をかけ合わせた言葉で、例えば2022年9月13日にあったツイートは「これは飛行機雲などと言った呑気なものではありません。#ケムトレイル」などと訴える。 リプライでは「大阪と、四国の間の海上でも、昨日見かけました」「昨日の長野です」と同調する声が上がるほか、「なに撒いてるのかねー」「喉の調子が今一つ」などと健康への影響を心配する声も。 「国民を駆除する気だ」「勝手に毒を撒くなんて許せない」「なんでこれを政府や国会議員は放置しているのか。お仲間ですか?」と、政府や闇の勢力が人口減少などを狙って化学物質を散布しているという主張も根強い。 検証過程

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