古田大輔(Daisuke Furuta)

ジャーナリスト/ファクトチェッカー 朝日新聞記者、BuzzFeed Japan創刊編集長を経て独立。2020-2022年Google News Labティーチングフェロー。2022年9月に日本ファクトチェックセンター編集長に就任。その他、デジタル・ジャーナリスト育成機構事務局長など。ニューヨーク市立大院News Innovation and Leadership 2021修了。

Tokyo
古田大輔(Daisuke Furuta)
ロシアの乱射事件をめぐる情報戦/民主主義サミットで偽情報めぐる国際的な連携を強調

その他

ロシアの乱射事件をめぐる情報戦/民主主義サミットで偽情報めぐる国際的な連携を強調

✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 2024年3月18-24日のファクトチェック週報です。140人を超える死者を出したモスクワの乱射事件をめぐり、大量の偽・誤情報が拡散するとともに、ロシア政府関係者が相次いでウクライナの関係を指摘し、ウクライナはこれを即時に否定するなど情報戦の舞台ともなっています。 JFCのファクトチェック記事 「岸田首相、被災者に『そもそも保険共済に入ってない国民が悪い』」は誤り 「岸田首相、被災者に『そもそも保険共済に入ってない国民が悪い』」との投稿が拡散しましたが、誤りです。保険・共済に加入することの重要性を述べた発言を歪曲して投稿しています。 「岸田首相、被災者に『そもそも保険共済に入ってない国民が悪い』」は誤り 「保険・共済への加入も重要」との発言を歪曲【ファクトチェック】「岸田首相、被災者に『そもそも保険共済に入ってない国民が悪い』」との投稿が拡散しまし

By 宮本聖二, 古田大輔(Daisuke Furuta)
Taiwan Minister Warns of Disinformation from China: "Information Manipulation Affects Democracy"

政治

Taiwan Minister Warns of Disinformation from China: "Information Manipulation Affects Democracy"

In Taiwan, where there is heightened vigilance against information manipulation from China, comprehensive measures are being undertaken to counter misinformation and disinformation. These measures include fact-checking, media literacy, and the establishment of legal frameworks. The Japan Fact-Check Center (JFC) conducted an interview with the Minister without Portfolio, Lo Ping-cheng, who

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
中国からの偽情報対策、TikTokの不自然なデータ 台湾大臣「選挙に影響」

政治

中国からの偽情報対策、TikTokの不自然なデータ 台湾大臣「選挙に影響」

中国からの情報工作に神経を尖らせる台湾では、ファクトチェック、メディアリテラシー、法的なルール設定など包括的な誤情報/偽情報対策に取り組む。日本ファクトチェックセンター(JFC)は、政府で偽情報対策を包括的に担当する羅秉成(ロウ・ピンチェン)無任所大臣に話を聞いた。 選挙への偽情報の影響「多くは中国から」 ──台湾総統選は世界的な関心を集めました。特に偽情報の拡散と中国からの影響への注目が高かったですが、実際にはどのような影響があったのでしょうか。 「明確な指標を示すのは難しいが、私たちは偽情報が選挙にある程度影響したと分析しています。その多くは中国からです」 ──具体的なデータはありますか。 「様々なデータがありますが、例えば、(民間研究機関の)台湾AIラボがTikTokについて分析したところ、中国に関連して拡散した主なコンテンツの62%が中国に対して好意的で中国による台湾統一を肯定する内容でした。逆に台湾に言及するコンテンツの95%が否定的で、民進党が台湾を破滅させるなどのものでした。次期総統に選ばれた民進党の賴清徳(ライチントー)氏に対しては67%

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
偽サイト・アカウントの見分け方 ファクトチェック週報

その他

偽サイト・アカウントの見分け方 ファクトチェック週報

✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 2024年1月29日-2月4日のファクトチェック週報です。能登半島地震に関する誤情報・偽情報は、避難所や支援制度に関するものが増えてきました。公的なサイトでの確認を。偽サイト・偽アカウント関連も多いため、記事で見分け方を確認してみてください。 JFCのファクトチェック記事 「ドイツで政府に不信を抱き立ち上がった国民の一揆」は誤り 「ドイツ政府への国民のデモが日本では報道されていない」などという言説が拡散しましたが、誤りです。デモは移民追放を計画していると報じられた極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に対するもので、日本でも放送、新聞各社が報道しています。 「ドイツで政府に不信を抱き立ち上がった国民の一揆」は誤り 極右政党に反対するデモ【ファクトチェック】「ドイツ政府への国民のデモが日本では報道されていない」などという言説が拡散しましたが、誤り

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
ファクトチェックセンターが新サイト 解説や研究、講座など多彩に

その他

ファクトチェックセンターが新サイト 解説や研究、講座など多彩に

日本ファクトチェックセンター(JFC)はこのたび、サイトをリニューアルしました。ファクトチェックだけでなく、解説や調査研究、ユーザーが自ら学べる講座などを充実させます。 誤/偽情報対策に幅広く取り組むために 福島第一原発からの処理水放出や能登半島地震にも見られるように、「フェイクニュース=誤/偽情報」の拡散は広がっています。生成AIの普及などにより、状況はさらに悪化することが見込まれます。一つ一つをファクトチェックしていくだけでは、対策として不十分です。 JFCは新サイトで新たに複数のコーナーを設けました。偽情報や情報操作の現状を深く掘り下げ、専門家インタビューなどを掲載する「解説」、大学や調査機関などと連携した「調査研究」、それらのエビデンスに基づいたファクトチェックやメディアリテラシー教育の「講座」を充実させます。 もちろんファクトチェックも強化 「ファクトチェック」のコーナーでは、誤解されることも多い「ファクトチェックとは何か」について基礎から解説。日々の検証の基本方針を定めた独自の「JFCファクトチェック指針」も公開しています。 ファクトチェ

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
ファクトチェックとは 定義・ルール・手法を解説

ファクトチェック

ファクトチェックとは 定義・ルール・手法を解説

ファクトチェックとは「事実の検証」を意味します。不確かな情報、根拠のないデマ、陰謀論などが広がる中で、客観的・科学的な根拠に基づいて事実を確認し、拡散している言説が正確かどうかを判定します。 「意見は人それぞれ」「何が事実かを誰かが決めて良いのか」などの批判もあります。ここではファクトチェックとは何かについて、国際ファクトチェックネットワーク( International Fact-checking Network, IFCN)などの規定も参考にしつつ解説します。 ファクトチェックの国際的なルール ファクトチェックは世界中で実施されており、国際的に認められた一定のルールが存在します。 世界のファクトチェックをリードするIFCN IFCNは世界最大のファクトチェック団体の連合組織で、米ジャーナリズム研究機関ポインター研究所に本拠を置いています。2024年1月27日現在、IFCNの認証を得ているファクトチェック団体やメディアは世界に172存在します(61団体は認証リニューアル中)。日本ファクトチェックセンター(JFC)もその一つです。 IFCNはファクト

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
能登半島地震、発生直後から変化する偽情報【ファクトチェックまとめ】

災害

能登半島地震、発生直後から変化する偽情報【ファクトチェックまとめ】

能登半島地震をめぐって、大量の誤情報/偽情報が拡散しました。日本ファクトチェックセンター(JFC)では、継続的に情報を検証し、事実確認を続けています。災害発生時から復旧・復興など、それぞれの段階で何が話題になるかの傾向があります。他メディアの記事も含めてまとめて解説します。 JFCの能登半島地震関連記事 JFCが地震の発生時から継続的に発信している検証記事です。今後も新しい記事を更新していきます(最終更新2024年1月27日)。 災害時に広がる偽情報5つの類型 2024年1月5日配信。災害時に広がりやすい偽情報を5つの類型に分類しています。災害発生から4日と初期の段階なので、発生時に多い「実際と異なる被害報告」「不確かな救助要請」などの事例を多く取り上げています。 (能登半島地震)災害時に広がる偽情報5つの類型 地震や津波に関するデマはどう拡散するのか地震や津波、洪水など大きな災害が発生すると、偽情報や根拠のない情報が拡散します。事実と異なる投稿や不確かな救助要請は、本当に助けを必要としている人たちへの支援を遅らせたり、妨げたりする恐れがあります。拡散

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
災害時に広がる偽情報5つの類型 地震や津波に関するデマはどう拡散するのか

その他

災害時に広がる偽情報5つの類型 地震や津波に関するデマはどう拡散するのか

地震や津波、洪水など大きな災害が発生すると、偽情報や根拠のない情報が拡散します。事実と異なる投稿や不確かな救助要請は、本当に助けを必要としている人たちへの支援を遅らせたり、妨げたりする恐れがあります。拡散しがちな偽情報・誤情報のパターンを知って、支援を妨げないようにしましょう。 災害時の偽情報の5類型 実際と異なる被害投稿 災害時に最も多く見られるのが、偽の被害報告だ。2024年1月1日の能登半島地震では、2011年の東日本大震災の津波の映像を使って、まるで能登半島地震の被害のように投稿する事例が相次いだ(例1、例2、例3、例4、例5 、例6)。 例2と例3を投稿した2つのアカウントは添付動画は異なるが、投稿文言は同じで「津波到達になった瞬間NHKのアナウンサーがすごい怒鳴ってる!危機感の伝わってくるアナウンスなので北陸新潟能登半島の方逃げてください」と書かれている。投稿内容をコピーしたと見られる。 例5の投稿は「石川県能登に大津波警報逃げろ」という文言に「#東日本大震災」というハッシュタグもついている。映像は東日本大震災のものだと示唆しているように読

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
AI、処理水、陰謀論...、JFCが検証した2023年10大フェイクニュース 史上最大の選挙の年に備えを

その他

AI、処理水、陰謀論...、JFCが検証した2023年10大フェイクニュース 史上最大の選挙の年に備えを

2023年も大量のフェイクニュース(誤情報/偽情報)が拡散し、日本ファクトチェックセンター(JFC)は1年間で173件の検証記事や動画を公開しました。中でも影響が大きく、注目を集めた「10大フェイクニュース」をまとめました。 選考基準は読まれた回数だけでなく、SNSやnoteでの反応、社会的な影響の大きさなども加味しました。誤った情報は繰り返し拡散します。間違いだと知りつつ故意に発信する人もいれば、正しいと信じて拡散する人もいます。まとめ記事で傾向を知ることは、2024年に同様のフェイクニュースが拡散することを防ぐことにも役立ちます。良いお年を! 2023年の10大フェイクニュース 福島第一原発からの処理水の放出 世界で注目を集めたのが福島第一原発の処理水の海洋放出でした。JFCは誤解を生みやすい「処理水」とは何かについて、国際原子力機関(IAEA)の報告書など国内外の資料に基づいて解説し、「放射性物質の6割が除去されない」「魚が大量死している」(いずれも誤りと判定)など個別に拡散した情報も検証しました。 福島第一原発の処理水と汚染水の違いは何?海洋放

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
「トランスジェンダー」か「性同一性障害者」か 日本ファクトチェックセンターの表記の理由

LGBTQ

「トランスジェンダー」か「性同一性障害者」か 日本ファクトチェックセンターの表記の理由

日本ファクトチェックセンター(以下、JFC)が公開した記事「『手術せずに性自認のみで戸籍が変更できる』は誤り【ファクトチェック】(以下、本記事)」について、「性同一性障害者とトランスジェンダーを混同している」として、文中の表記を全て「性同一性障害者」に改める訂正と謝罪を求める要請書が「女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会(以下、連絡会)」から届きました。JFCの見解を説明いたします。 本記事と要請の内容 本記事は2023年10月25日、「性同一性障害特例法(以下、特例法)」の戸籍上の性別を変える要件について、最高裁が「意に反して身体への侵襲を受けない自由を侵害」しており、憲法13条に違反して無効という判決を出したことに関するファクトチェックです。「手術なしで戸籍変更可能になった」などの言説に対し、判決をもとに「誤り」と判定しています。 判定の根拠は、判決の内容です。特例法は性別の変更について、「必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致している」という条件の上で、さらに「18歳以上であること」「現に婚姻を

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
【追記あり】NHKの足立氏、日本ファクトチェックセンターのアドバイザーに

その他

【追記あり】NHKの足立氏、日本ファクトチェックセンターのアドバイザーに

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシー普及のため、他団体や専門家とのコラボレーションを広げています。12月11日からはNHK報道局ネットワーク報道部デスクの足立義則氏がアドバイザーとしてJFCに参加します。 追記(2024年4月1日) 足立氏は4月からファクトチェックをテーマにしたNHKの番組に定期出演するため、JFCアドバイザーは2024年3月31日で退任となりました。 NHKのデジタル発信を担当 足立氏は1992年にNHKに記者として入局。ニュースデスクを経て2012年からは報道のデジタル発信を担当してきました。データ報道やデジタル技術を活用した新たな表現に取り組み、ソーシャルメディア上の情報を収集分析するNHKソーシャルリスニングチームSoLTを設立し、運営に携わっています。 足立氏はNHKでの業務を続けながら、その豊富な経験を活かして、JFCのファクトチェックやメディア情報リテラシー教育の普及などの業務にアドバイスをしていただきます(ファクトチェック記事の編集業務には足立氏は携わりません)。 足立氏

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
日本ファクトチェックセンターがAI活用 LINEでユーザーからの質問に答えます

その他

日本ファクトチェックセンターがAI活用 LINEでユーザーからの質問に答えます

日本ファクトチェックセンター(JFC)は12月8日、AIを活用してファクトチェックをLINEユーザーに届けるサービスを開始します。サンフランシスコに本拠を置くグローバルな非営利組織Meedanの技術を活用し、AIによるLINEボットがユーザーからの質問にJFCのファクトチェック記事で回答します。 AIがJFCデータベースを活用して回答 JFCは昨年10月の設立からこれまでに約200本のファクトチェック記事や動画を公開しており、現在は毎月約20本の記事と4本のショート動画をウェブサイト、YouTube、各種ソーシャルメディアなどで配信しています。 今回、公開するLINEボットはJFCのデータベースと接続されています。LINEアプリで日本ファクトチェックセンターを友達に追加(URLとQRコードは記事の下部)し、質問すると、AIが関係しそうな記事を自動的に返信します。 ユーザーが寄せた質問をもとに情報の検証も また、データベースの中に関連しそうな記事がない場合には、その質問はJFCに届けられます。 この機能によって、JFCは拡散している誤情報/偽情報をLI

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
イスラエル・パレスチナ情勢をめぐり大量の誤情報/偽情報 検証方法を解説【ファクトチェックまとめ】

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イスラエル・パレスチナ情勢をめぐり大量の誤情報/偽情報 検証方法を解説【ファクトチェックまとめ】

イスラエル・パレスチナの武力衝突に関連し、大量の誤情報/偽情報が世界的に拡散しています。互いの憎悪を煽るような投稿もあり、混乱に拍車をかけています。日本ファクトチェックセンター(JFC)がこれまでに検証した事例とともに、対応策をまとめました。 ※新たな検証があれば記事を更新します(最終更新2023年11月17日)。 対立煽る誤情報/偽情報 間違った情報に関して、一般的には「フェイクニュース」や「デマ」という言葉が使われることが多いですが、その内実は複雑です。 真偽が不確かな情報で社会が混乱する「情報汚染」を情報の意図と正誤で3つに分類すると、図のようになります。「誤情報:意図的ではないが誤っている」「悪意ある情報:意図的だが誤っていない」「偽情報:意図的に誤っている」の3つです。 ロシアとウクライナの戦争がそうであるように、イスラエル・パレスチナをめぐっても、大量の誤情報/偽情報/悪意ある情報が拡散しています。情報汚染は対立を煽り、混乱を悪化させます。発信元の確認や他の情報源との比較をするようにしましょう。 誤情報/偽情報の検証方法 大量に流れる情

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
(動画)ハマスがイスラエルにパラシュートで侵入した?【ファクトチェック】

国際

(動画)ハマスがイスラエルにパラシュートで侵入した?【ファクトチェック】

2023年10月7日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが、イスラエルに大規模攻撃を仕掛けて軍事衝突が発生。これに関して、「ハマスがイスラエルにパラシュートで侵入した映像」と主張する動画が世界中で拡散していますが、誤りです。動画は別の日時、場所で撮影されたもので2023年10月の戦闘とは無関係です。 検証対象 2023年10月の戦闘開始の直後から、SNS上で、パラシュートに乗った人が次々に街中に降下する映像が拡散( 例1、例2,)。「ハマスがイスラエルにパラシュートで降下」などのコメントがついている。 例1の動画はインドのファクトチェックメディアBOOMが検証。動画はエジプトで撮影されたもので、「イスラエルやハマスとは無関係で誤りだ」と判定している。例2の動画はハフポスト日本版が検証し、イスラエルとハマスの戦闘開始よりも前に投稿されていることから誤りと判定している。 検証過程 例1の動画に映っている建物に掲げられている文字をGoogleレンズで翻訳すると、アラビア語で「陸軍大学」と書かれていることがわかる。 ネット上では、この動

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
福島第一原発の処理水と汚染水の違いは何?海洋放出は危険?【ファクトチェックまとめ】

原発・放射能

福島第一原発の処理水と汚染水の違いは何?海洋放出は危険?【ファクトチェックまとめ】

日本政府が夏ごろに始める方針を示している福島第一原発の処理水の海洋放出に関して、国内外で不確かな情報が拡散しています。処理水とは何か。環境への影響は。ファクトチェックのポイントをまとめました。 ※新たな誤情報の検証を更新していきます(最終更新2023年12月13日)。 参照資料は、各省庁や東京電力から、また、2023年7月4日に公開された国際原子力機関(IAEA)の「福島第一原子力発電所ALPS処理水の安全審査に関する包括的報告書(以下、IAEA報告書)」などです。 処理水か汚染水か 2011年3月11日の東日本大震災による津波で、福島第一原発ではウラン燃料を冷やすことができなくなる事故が起きました。燃料は格納容器内で溶け、今も温度を下げるための冷却水をかけ続けています。使用された水は放射性物質で汚染され、雨水などと混ざって毎日約90トンずつ増えています。これを「汚染水」と呼びます。 汚染水は原発の施設内に並ぶ1000基を超える巨大タンクに貯められますが、2024年の前半にはタンク容量に限界が来る見込みです。日本政府は、トリチウムを除く62種類の放射性物

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCリテラシー講座5:ファクトチェックとリテラシーは両輪

講座

JFCリテラシー講座5:ファクトチェックとリテラシーは両輪

日本ファクトチェックセンター(JFC)は2023年5月に国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)に加盟し、6月に韓国ソウルで開催された年に1度の会合「Global Fact」に参加しました。 世界中から500人を超えるファクトチェッカーや研究者らが集まり、3日間で60 を超えるセッションで最新の事例や課題について議論しました。そのうち4つは直接的にメディアリテラシーに関するもので、リテラシー教育の重要性に一部でも触れたセッションを入れるとかなりの数になります。 ファクトチェッカーはリテラシー教育の重要性に気づき、リテラシー教育者はファクトチェックの技術を取り入れていく。相互の乗り入れと協力が進んでいます。 JFCリテラシー講座の最終回はオンラインですぐに学ぶことができるサイトや、日本や海外の取り組みなどを紹介します(この記事では今後も新しい事例をアップデートしていく予定です)。 国内での取り組み 専門家による具体的な解説 Yahoo!ニュースでは、フェイクニュースや選挙に関する誤情報について学ぶ「フェイクニュースへの備え~デマや不確かな情報に惑わ

By 宮本聖二, 古田大輔(Daisuke Furuta)