ファクトチェック

ファクトチェックとは事実の検証です。JFCでは、検証対象・検証過程・判定を明示、読者も独自に確認できるように情報源を明らかにし、根拠へのリンクを貼っています(詳細は「ファクトチェック」の「ファクトチェックとは」「JFCファクトチェック指針」)。

総選挙後の偽・誤情報/米大統領選 終盤/JFCがデジタルアーカイブ学会賞 授賞

その他

総選挙後の偽・誤情報/米大統領選 終盤/JFCがデジタルアーカイブ学会賞 授賞

総選挙は投開票が終わっても、偽・誤情報が止まるわけではありません。政党や当選者、選挙制度そのものに対する偽・誤情報が拡散し続けました。11月5日が投票期日のアメリカ大統領選は日本以上にAI生成含む大量の偽情報が広がっています。そんな中、日本ファクトチェックセンター(JFC)は、11月1日に「デジタルアーカイブ学会賞」を授賞しました。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 今週の解説 総選挙ファクトチェックまとめ 偽・誤情報は何がどう広がった 総選挙が終わりました。どんな偽情報・誤情報が拡散し、どんな影響があったのか。来年の参院選に備えるためにも、振り返ります。 総選挙ファクトチェックまとめ 偽・誤情報は何がどう広がった 【解説】総選挙が終わりました。どんな偽情報・誤情報が拡散し、どんな影響があったのか。来年の参院選に備えるためにも、振り返ります。 選挙で拡散しがちな偽・誤情報の類型

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
自民党議員「石破茂って書きたくないんだが」と発言? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

政治

自民党議員「石破茂って書きたくないんだが」と発言? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】

自民党議員が「石破茂って書きたくないんだが」と発言したという言説が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのXアカウントで、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているだけです。議員の発言ではありません。 検証対象 2024年10月31日、自民党議員が「石破茂って書きたくないんだが」と発言したという言説が拡散した。 2024年10月31日現在、この投稿は380件以上リポストされ、表示回数は4万回を超える。投稿について「高市早苗と書けばいい」「自分達で選んだのに」とコメントが付いている。 検証過程 検証対象の投稿に添付されたリンクはまとめサイト「Tweeter Breaking News-ツイッ速!」の記事だ。引用元は産経新聞「どうなる首相指名選挙 石破首相選出の流れも自民内造反の可能性に懸念」(2024年10月30日)と、掲示板サイト5ちゃんねるのスレッドになっている。 産経新聞の記事は、11月11日に召集予定の特別国会で行われる首相指名選挙で、石破首相選出の流れが強まったと報じている。自民内造反の可能性についても言及しているが、

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
米大統領選の世論調査、全米で共和党が勝利?結果を操作できる地図が拡散【ファクトチェック】

国際

米大統領選の世論調査、全米で共和党が勝利?結果を操作できる地図が拡散【ファクトチェック】

「米大統領選の世論調査、全米で共和党が勝利」など、共和党がアメリカのすべての州、あるいはほとんどの州で勝利するという選挙結果の予測地図が拡散しましたが、誤りです。2024年10月時点の各社の選挙予測とは異なります。この地図は、ユーザーが自由に操作できる地図サービスで作成されました。 検証対象 2024年10月14日、アメリカ大統領選の選挙結果予測に関する投稿が複数拡散した(投稿1、投稿2、投稿3)。 投稿1は、「日本国民❗️おい日本国民‼️/アメリカの国民はもうとっくに目を覚ましてんぞ〜‼️」という文言とともに共和党がほとんどの州で優勢になっている地図が添付されている。この投稿は現在削除されているが、10月15日までに5.7万回以上の閲覧回数と6000件以上のリポストを獲得している。 投稿2は「米大統領選の世論調査で、全米がトランプさんと共和党の勝利で真っ赤に染まってます🥳👏👏」と書かれ、すべての州が共和党優勢だ。10月31日現在、5.1万回以上の閲覧回数と180件以上のリポストを得ている。 投稿3は「圧勝じゃないの👍👍👍👍まぁ当然でしょう

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
鳥インフルエンザは鳥から人間に感染しない? 国外では感染、発症例も【ファクトチェック】

医療・健康

鳥インフルエンザは鳥から人間に感染しない? 国外では感染、発症例も【ファクトチェック】

「鳥インフルエンザは鳥から人間に感染しない」という言説が拡散しましたが、誤りです。国外では感染した事例があり、国内でも監視を続けています。 検証対象 2024年10月16日、「鳥から人間に感染しないのに、何でこんなニュースをやるのか」「卵を食べても感染しない、鶏肉を食べても感染しない」などと書かれた投稿が拡散した。 検証過程 リンクにあるNHKニュースには 投稿には鳥インフルに関連するNHKニュース記事「鳥インフル 北海道の野鳥で検出 対応レベルを引き上げ 環境省」へのリンクがある。 記事は、北海道内の2か所で見つかった野鳥の死骸などから高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出され、環境省が全国の対応レベルを最も高い「3」に引き上げたことを伝えている。 記事の後半では「鳥インフルエンザウイルスは感染した鳥と過度な接触をしない限り、人には感染しないとみられる」と書いている。 鳥ーヒト感染は国外では発生 鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルス(H5N1亜型)が病原体で、鳥類(主に水禽類)に感染する。2021年以降、世界的な感染拡大で野生

By 宮本聖二
テレ朝でAIが「間違いなく不正選挙」「若者の多くは参政党にしか興味がない」などと発言?  改変された動画【ファクトチェック】

政治

テレ朝でAIが「間違いなく不正選挙」「若者の多くは参政党にしか興味がない」などと発言? 改変された動画【ファクトチェック】

2024年10月27日投開票の衆院選で当選した自民党の河野太郎氏について、テレビ朝日の選挙特番でAIが「間違いなく不正選挙」「若者の多くは参政党にしか興味がない」などと発言している動画が拡散しましたが、誤りです。AIへの質問と回答の音声を改変したもので、実際の放送とは異なります。 検証対象 2024年10月29日、テレビ朝日の選挙特番「選挙ステーション」でコメンテーター役を務めたAIが「人工知能が選挙解析 不正選挙 確定と判定した」「人工知能が選挙不正を発見 河野太郎の当選は不正です」などと発言する動画主張する動画が拡散した(例1、例2)。 これらの投稿には「デマ」「フェイク動画」などの指摘もある。 一方、「テレ朝の番組かな?主流メディアとしては、知られたくない回答内容だと思うが、良く放送したものと驚いた」「デジタル大臣のくせにAIにまで否定されてるの草超えて花畑」といったコメントが付いており、この動画を信じてしまう人が一定数いることを示している。 検証過程 動画に映る「AIコメンテーター」 拡散した投稿は複数あるが、いずれも同じ49秒間の動画が

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
萩生田光一氏は落選していた? 選挙区で当選【ファクトチェック】

政治

萩生田光一氏は落選していた? 選挙区で当選【ファクトチェック】

2024年の衆議院議員選挙における萩生田光一氏の当選について「これはおかしいですね。速報では落選でしたから」との主張が拡散しましたが、誤りです。萩生田氏は選挙区で当選しました。また、「落選」と報じたメディアは確認できません。 検証対象 2024年10月27日、衆院選における萩生田光一氏の当選について、「これはおかしいですね。速報では落選でしたから」と、否定するような投稿がX(旧Twitter)で拡散した。 投稿は10月31日時点で1700件以上のリポストと61万件以上のインプレッションを獲得している。投稿には「確実に不正やってますね。」「もう不正は確実です」などのコメントが付く一方で、「その逆も見ましたよ。当確だったのが今日見たら落選してる方を」といった指摘もある。 検証過程 自民党元政調会長の萩生田光一氏は、自民党派閥の裏金事件に関わったとして公認を得られず、今回の衆院選に無所属で立候補した。 この選挙区では、萩生田氏と立憲民主党の元参院議員・有田芳生氏が接戦となったが、投開票日午後11時29分には朝日新聞が萩生田氏の当選確実を報じている(朝日新聞

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
期日前投票はブラックボックスで不正し放題? 各選管で厳重な対策【ファクトチェック】

政治

期日前投票はブラックボックスで不正し放題? 各選管で厳重な対策【ファクトチェック】

2024年10月27日投開票の衆院選で「期日前投票は完全なブラックボックスで不正し放題」という言説が拡散しましたが、誤りです。各自治体の選挙管理委員会は投票箱に複数の錠をかけたうえで封印し、施錠された倉庫への運び込み・運び出しは複数職員で実施するなど厳重な不正対策を実施しています。 検証対象 衆院選投開票直後の2024年10月28日未明、「不正選挙と言えばムサシと思われがちですが、現在は『期日前投票の入れ替え』がメインです。やり方は、勝たせたい候補者票とゴッソリ入れ替えるという方法ですよ。期日前投票は完全なブラックボックスでセキュリティもガバガバなので、不正し放題なのです」という投稿が拡散した。 投稿に添付された動画には投票所のような場所の手前で、人がピンク色のカギを見せる様子が映っている。100万を超える閲覧があり、3100以上のリポストがついている。 この投稿に関連して「期日前投票はごっそりすげ替えられてしまうんですね」「知らずに期日前投票に行ってしまった」「期日前投票は身分証がなくても投票できる、不正ができちゃうんじゃ…」などの書き込みや動画が並ぶ(

By 宮本聖二
総選挙の出口調査でメディアは老人だけを選ぶ? サンプル調査のため全員には聞かない【ファクトチェック】

政治

総選挙の出口調査でメディアは老人だけを選ぶ? サンプル調査のため全員には聞かない【ファクトチェック】

衆議院選挙で報道機関が実施した出口調査について「自分は調査されなかった、報道機関の出口調査は老人ばかり選んでいる」という言説が拡散しましたが、誤りです。出口調査はサンプル調査のため全員には聞かず、世代などによる偏りを避けるために万遍なく聞くように設計されています。 検証対象 2024年10月27日投開票の衆議院選挙で「期日前投票行ったら出口調査やってたんだけど老人は待たせてでもアンケ取ってたのにボクは自然にスルーされてまさかなと思ってしばらく観察してたらマジで老人“だけ”選んで声掛けてたw」という言説がX(旧Twitter)で拡散した。10月28日現在で、670万の閲覧があり、リポストは1万6000を超えている。 この投稿に「いつもそうだね」「老人の人口が多いですからね、この国は」などのコメントの他、「出口調査は各年齢層満遍なく取りますよ」といった書き込みがある。 検証過程 選挙報道に欠かせない出口調査 選挙報道では、選挙前から選挙区の情勢を細かく取材。さらに世論調査や期日前と当日の出口調査(投票所から出てきた人への聞き取り)で、誰がどれだけリード

By 宮本聖二
衆院選の自公過半数割れで石破内閣総辞職? まとめサイトの見出し【ファクトチェック】

政治

衆院選の自公過半数割れで石破内閣総辞職? まとめサイトの見出し【ファクトチェック】

2024年10月27日投開票の衆議院選挙で、自民党と公明党は選挙前の計279議席から64議席減らして215議席となりました。過半数割れが判明した直後、「石破 総辞職へ」という言説が拡散しましたが、誤りです。拡散させたまとめサイトは根拠を示しておらず、石破茂首相は、衆院選から一夜明けた28日午後、記者会見で「現下の厳しい課題に取り組んでいく。職責を果たしてまいりたい」と述べ、続投する意欲を明らかにしています。 検証対象 衆院選では自民党が大きく議席を減らした。公明党と合わせた与党が過半数を下回る状況が判明しつつあった10月27日の夜、「石破 総辞職へ」という言説がX(旧Twitter)で拡散した。28日には110万を超す閲覧があり、リポストも1700を超えた。 この投稿に対しては「石破さんお疲れ様」「やったね!!!それで次は誰がなるの」といったコメントのほか「まだそのような報道はなされていません。ミスリードを招く投稿はやめましょう」という指摘もある。 検証過程 まとめサイトによるもの 検証対象の投稿に添付されたリンクは「Tweeter Breakin

By 宮本聖二
衆院選の投票所で用紙が発行されず比例区の投票ができなかった? 東京で報告事例はない【ファクトチェック】

政治

衆院選の投票所で用紙が発行されず比例区の投票ができなかった? 東京で報告事例はない【ファクトチェック】

2024年10月27日の衆議院選挙で、東京の投票所にある投票用紙交付機のシステム障害で投票用紙が出てこず、比例区投票ができなかったという言説が拡散しましたが、根拠不明です。選挙管理委員会にはトラブルの報告は入っていません。 検証対象 2024年10月27日、「東京に住んでいる友達が、投票に行ったら、小選挙区は投票できたけど、比例票はシステム障害で投票用紙が出てこないから、投票できずに帰ってきたとか…そんなことってありえるの?比例票が重要なんじゃないの?」という投稿が拡散した(現在投稿は非公開)。 投稿には多くのリプライが寄せられ、東京7区(渋谷区・港区)について、比例代表の投票用紙が発行されなかったという情報が出回った。東京都議2人がそのような事態は確認されていないと反応している(投稿2、投稿3)。 検証過程 東京都選管「そうした事実も報告もなかった」 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、拡散した投稿2と投稿3について東京都選挙管理委員会(都選管)に問い合わせた。 都選管によると、10月27日に東京7区を管轄する渋谷区と港区の各選挙管理委員

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
総選挙めぐる偽・誤情報/選挙直前オススメのサイト【今週のファクトチェック】

その他

総選挙めぐる偽・誤情報/選挙直前オススメのサイト【今週のファクトチェック】

総選挙の投開票日です。日本ファクトチェックセンター(JFC)では選挙に関する偽・誤情報の検証記事を多数公開しています。誤った情報に基づいて投票したり、棄権したりしないように参考にしてください。投票の参考になる便利なサイトを紹介する解説記事も出しました。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 今週の解説 選挙で偽情報対策以上に重要なのは? 投票に役立つ正確で信頼性の高いサイト 偽情報・誤情報の対策は、ファクトチェックに限りません。重要なことは、正確で信頼性の高い情報を元に有権者が判断することです。総選挙の投開票日が10月27日に迫る中、誰に投票するかを決めるために役に立つ、信頼性の高い情報を提供するサイトを紹介します。 選挙で偽情報対策以上に重要なのは? 投票に役立つ正確で信頼性の高いサイト【解説】偽情報・誤情報の対策は、ファクトチェックに限りません。重要なことは、正確で信頼性の高い

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
河野太郎氏が子宮頸がんワクチンは危険だと演説? 発言の切り取り【ファクトチェック】

政治

河野太郎氏が子宮頸がんワクチンは危険だと演説? 発言の切り取り【ファクトチェック】

自民党の河野太郎氏が、街頭演説で「子宮頸がんワクチンは危険だ」と話す動画が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。そのような発言はありますが、前後の文脈を無視して切り取ったものです。 検証対象 2024年10月21日、X(旧Twitter)で、「河野太郎、子宮頸がんワクチンの危険をうっかりバラした」という投稿が、河野氏の演説の動画と共に拡散した。10月25日現在、閲覧数は97万を超え、5600以上のリポストがある。 この投稿に対して、「子宮頸がん…といったつもりが、本当の事、言っちゃいましたね」「ワクチンで命落としたって言ってるよー」などのコメントのほか、「残念ながら日本では子宮頚ガンで命を落としている人がいます。と言おうとしたら、間違えワクチンと言ってしまったのか?」という指摘がある。 検証過程 河野氏の選挙演説の内容は 拡散した動画は8秒間で、河野氏が「今、日本で残念ながら子宮頸がんワクチンで命を落としている人がまだいます」と話す様子が映っている。拡散した投稿のリプライ欄には同じ演説を別の角度から撮影した2分55秒間の動画もある。 2分55秒

By 宮本聖二
維新・馬場代表「企業団体献金を受け取らないのは日本維新の会だけ」? 共産党は受け取らず、綱領に明記【ファクトチェック】

政治

維新・馬場代表「企業団体献金を受け取らないのは日本維新の会だけ」? 共産党は受け取らず、綱領に明記【ファクトチェック】

衆議院選の演説で、日本維新の会の馬場伸幸代表が「企業団体献金を受け取っていないのは日本維新の会だけ」と発言しましたが、不正確です。日本共産党は綱領に「受け取らない」と明記し、企業・団体献金を受け取っていません。 検証対象 2024年10月11日、日本維新の会の馬場代表が「日本維新の会だけが企業・団体献金を受け取らないようにしています」と演説している動画をYouTubeの「維新の馬場ちゃんねる」で公開した。 「馬場代表頑張って下さい。」というコメントがある一方で「嘘ですね。政治資金パーティーやってるじゃん。政治資金収支報告書にも書いてあるけど」という指摘もある。 検証過程 日本共産党「企業・団体の献金を禁止」 日本共産党は企業・団体献金を受け取っていない。党員の党費や「しんぶん赤旗」の事業収入、寄付が主な収入だ(しんぶん赤旗「日本共産党の政治資金」)。 日本ファクトチェックセンター(JFC)が改めて共産党に話を聞いたところ、結党以来、受け取っておらず、2004年1月には党綱領を改定して「憲法と民主主義の分野で」という項目に「汚職・腐敗・利権の政治を

By 宮本聖二
開票率0%で当選確実と報道するゼロ打ちは不正選挙? 取材と統計学に基づく精度の高い予測【ファクトチェック】

政治

開票率0%で当選確実と報道するゼロ打ちは不正選挙? 取材と統計学に基づく精度の高い予測【ファクトチェック】

報道機関選挙のゼロ打ち(開票率0%で「当選確実」と報じること)について「ゼロ打ちすんな、選挙まで不正すんな」「#ゼロ打ちやめろ #不正選挙反対」といった言説が複数拡散しましたが誤りです。これはメディア各社が取材や統計学に基づいて非常に精度の高い予測を報じているものです。 検証対象 2024年10月27日に投開票される衆議院選挙について、報道機関の「ゼロ打ち」を投票が操作される不正選挙の証拠であるとするような言説が複数投稿されている(例1、例2、例3)。 検証過程 選挙において開票率が0%の段階でメディアが「当選確実」と報じることを「ゼロ打ち」「ゼロ票当打ち」などと呼ぶ。選挙報道では一般的な手法だ。 担当記者が選挙前から選挙区でどの候補者が優位に立っているかを各陣営などに取材。世論調査や期日前投票と当日の出口調査(投票所から出てきた人に誰に投票したか聞くこと)などで、その選挙区で誰がどれだけリードしているかを予測する。 逆転不可能なほどに差が開いている場合には、投票が締め切られた段階で、開票がまだ進んでいなくても「ゼロ打ち」をする。ゼロ打ちをするほどの

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
最高裁の国民審査は○か✖️を記入する制度? 〇を書くと無効票【ファクトチェック】

政治

最高裁の国民審査は○か✖️を記入する制度? 〇を書くと無効票【ファクトチェック】

「最高裁判所裁判官国民審査は本来○か✖️を記入する制度」という言説が拡散しましたが、誤りです。辞めさせたい裁判官に「×」を記載し、なければ何も記載せずに投票する制度です。「×」以外の記号を書くと無効票になります。 検証対象 2024年10月15日、「最高裁判所裁判官国民審査は本来○か✖️を記入する制度」という言説が拡散した。 2024年10月25日現在、この投稿は9600件以上リポストされ、表示回数は300万回を超える。投稿について「今の制度はいびつ」「制度を変えるべき」というコメントの一方で「〇を書いたら無効票と聞いたのですが」という指摘もある。 検証過程 最高裁判所裁判官国民審査とは 既に任命されている最高裁判所の裁判官が、その職責にふさわしい者かどうかを国民が審査する制度。最高裁判所の裁判官は任命された後に初めて実施される衆議院選挙の投票日に国民審査を受ける。また、この審査の日から10年経過後の総選挙の投票日に次の審査を受ける(総務省「制度のポイントを知ろう!」)。 投票の方法は 総務省のサイトには投票の方法について「裁判官ごとに、辞め

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開票機器大手「ムサシ」の筆頭株主は安倍晋三氏で票を操作? 選挙のたびに拡散する誤情報【ファクトチェック】

政治

開票機器大手「ムサシ」の筆頭株主は安倍晋三氏で票を操作? 選挙のたびに拡散する誤情報【ファクトチェック】

総選挙に関連して、「開票機器大手の筆頭株主は安倍晋三氏」「不正が行われやすい」という言説が拡散しましたが、誤りです。筆頭株主が安倍氏だったという事実はなく、また開票作業は不正防止のため、機械だけでなく、人の目でも監視しています。 検証対象 2024年10月24日、森友学園事件で有罪判決を受けた籠池泰典氏が「我が国の選挙制度について、本来、手で開票していましたが、いまではムサシという機械が使われています」「ムサシという機械の筆頭株主も、安倍晋三首相とも聞いております」「自動集票することによって、不正が行われやすい状況」と語る過去の動画が再拡散した。投稿には「#ムサシ」のハッシュタグがつけられていた。 2024年10月24日午後2時現在、この投稿は240件以上リポストされ、表示回数は8000件を超える。投稿について「日本も選挙は茶番」「これは大事な情報」というコメントが付いている。 検証過程 筆頭株主は「上毛実業株式会社」 筆頭株主は、企業の有価証券報告書から確認することができる。日本ファクトチェックセンター(JFC)は、開票システム「ムサシ」を展開す

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