JFCの体制

JFCの体制

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェック(事実の検証)を専門とする非営利組織です。

インターネット上の不確かな情報を中心に、証拠に基づいて真偽を確かめるとともに、デジタル時代のメディア・リテラシーについて発信・普及活動に取り組むなど、民主主義の基盤となるインターネット上の言論空間の健全性を維持、向上させることを目的として活動します(JFC設置規定)。

この記事では、JFCの体制や規約を紹介します。

JFCの体制

JFCは2022年10月、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)のもとで設立されました。これは誤/偽情報対策を民間でどう実施するかの議論がSIA中心に進められてきたという背景があります。

SIAはネット上の違法・有害情報対策に取り組むために国内のネット企業を中心に設立された一般社団法人で、多くのネット企業が会員となっています。JFCはSIA会員企業からの独立性を保ってファクトチェックに取り組むため、運営はSIAの活動からは切り離されています。

日々のファクトチェックの対象の選定や検証の実務、記事の公開などはJFC編集部に一任されています。JFC編集部が非党派性と公正性を保ってファクトチェックに取り組んでいるかについては、専門家で作る運営委員会が評価をします。

運営委員会はJFCが定めるファクトチェックガイドラインに則って編集部が検証を実施しているかを評価し、編集長の解任を理事会に勧告する権限も持っています。また、運営委員会と編集部全体のガバナンスが適正か確認する監査委員会も設けています。これらのルールを定めたJFC設置規定はこちらに公開しています。

運営委員会

運営委員長 曽我部 真裕(京都大学大学院法学研究科教授)
副委員長  山本 龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)
委員      市原 麻衣子(一橋大学大学院法学研究科教授)
委員   小川 一(毎日新聞客員編集委員)
委員   平 和博(桜美林大学教授)
委員   水谷 瑛嗣郎(関西大学准教授)

監査委員会

監査委員長 宍戸 常寿(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
委員選定中

事務局

事務局長 吉田 奨(セーファーインターネット協会専務理事)

JFC編集部

JFC編集部は経験を積んだプロのジャーナリストやエディターらと学生らインターンで構成されています。また、SIAに所属し、ネット調査に詳しいリサーチチームの協力も得ています。

以下がJFC編集部のメンバーです。インターネットやOSINTに強いエディター、ファクトチェックに関心がある学生など、今後も拡充していく予定ですので、ご興味ある方はこちらからお申し込みください。

編集長:古田 大輔

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副編集長:宮本 聖二

エディター:藤森 かもめ

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エディター:野上 英文

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インターン

JFCでは学生インターン(有給)を採用しており、ファクトチェック対象の選定や実際の検証などに取り組んでいます。報道機関を目指す学生が多いですが、研究者志望やインターネット、情報環境に関心がある学部生や院生など、様々です。ご関心ある方はこちらからお申し込みください。

リサーチチーム

JFCの設置母体となっている一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)は、ネットの悪用や誹謗中傷対策に取り組んできた団体で、ネット上で拡散する様々な情報に精通したスタッフがいます。JFCがファクトチェックをしていく上で、SIAスタッフもリサーチチームとして協力しています。

ファクトチェック指針

JFCは公正なファクトチェックを実践するためにファクトチェックガイドラインを定めています(全文はこちら)。編集部はこのガイドラインに基づいて検証を実施し、運営委員会が公正性や適正な運営を評価します。

概要や具体的な方法論については、別途、編集部のファクトチェック指針をこちらに公開していますので、そちらもご参照ください。

JFCファクトチェック指針
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックガイドラインを定めて、公正な事実の検証に努めています。詳細はこちらのリンクから確認できますが、このページではその概要や実際の検証の方法論・判定基準を説明します。 そもそもの「ファクトチェックとは何か」についてはこちらをご覧ください。 *「ファクトチェックとは何か」近日公開 ファクトチェックの定義 JFCは独自に定めたファクトチェックガイドラインに従って、検証を実施します。 JFCのガイドラインでは、ファクトチェックを以下のように定義しています。 言説に含まれる事実について、客観的な事実により検証し、正確性を評価すること(JFCファクトチェックガイドライン) 主にインターネットで拡散する言説を対象に、その重要性や影響を考慮して検証し、ユーザーからの提案も受け付けます。 検証対象をどう選ぶか 「ファクトチェックとは何か」の記事でも解説したように、ファクトチェックの対象となるのは意見(オピニオン)ではなく、公開されている言説の中で「事実(ファクト)」と提示されている部分です。 「雲が出ている。雨が降りそ

JFCとSIAの協力

JFCは親団体であるSIAから独立して運営されており、独立性を担保するためにも運営委員会と監査委員会を設けています。

一方で、SIAは「より良いインターネット社会のために」をミッションに掲げて活動してきた実績があり、JFCの活動にも繋がる部分があります。その点において知見の交換や協力も進めています。

具体的には、SIAが個人や企業、自治体などに広く提供している「ネットセーフティ教育プログラム」に対し、JFCが持つファクトチェックやメディアリテラシーの知見を活用したり、逆にこれまでにSIAが長年培ってきた知見をJFCのプログラムにも取り入れるなどの連携を進めています。

ファクトチェック組織としてのJFCの独立性を担保しつつ、メディアリテラシー教育などSIAが強みを持つ分野で連携するという方針です。

IFCNの認証

JFCは国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)の審査を経て、認証を得ているファクトチェック組織です。IFCNはファクトチェックの5つの原則を掲げており、認証団体はそれを遵守することが求められています(詳しくは「ファクトチェックとは何か」)。

JFCがIFCNのルールに違反していると考える方は、こちらのIFCN窓口からJFCについて報告することが可能です。