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東京新聞編集局の偽Xアカウントが出現 公式が注意喚起

東京新聞編集局の偽Xアカウントが出現 公式が注意喚起

東京新聞編集局の偽Xアカウントが出現しています。公式アカウントが「投資の勧誘をする『なりすまし』アカウントが確認されています。東京新聞とは全く関係ありません」と注意を呼びかけています。 リプライに投資を呼びかける偽アカウント X(旧Twitter)で東京新聞編集局の投稿にリプライ形式で投資を呼びかけるなりすましのアカウントが出現した。 2024年5月8日、東京新聞編集局の公式アカウントが「『東京新聞編集局』を名乗って、同じアイコン、背景を使って投資の勧誘をする『なりすまし』アカウントが確認されています。東京新聞とは全く関係ありません」と注意を呼びかけている。 なりすましアカウントは、公式アカウントの投稿にツリー形式で表示されるリプライを付けている。公式アカウントと同じアイコンでLINEの友達追加を促している。 公式アカウントは8万以上のフォロワーがいるのに対し、偽アカウントは5月9日15時の時点で0人だ。またIDも英数字の羅列になっている。 あとがき 著名人のなりすましアカウントや偽の広告がSNSに次々と出てきています。詐欺サイトへの誘導や個人情報

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
杉田水脈氏「『民族衣装のコスプレおばさん』なんて投稿していない」 は誤り 自身が国会で認め、記録も存在【ファクトチェック】

杉田水脈氏「『民族衣装のコスプレおばさん』なんて投稿していない」 は誤り 自身が国会で認め、記録も存在【ファクトチェック】

自民党の杉田水脈衆議院議員が「そもそも『民族衣装のコスプレおばさん』なんて投稿していません」とX(旧Twitter)に投稿しましたが、誤りです。2016年2月に投稿した記録がアーカイブで残っており、2022年11月の参議院予算委員会で杉田氏自身も認めています。 検証対象 2024年5月2日、自民党の杉田水脈衆議院議員がX(旧Twitter)で、「杉田水脈議員の在日コリアン投稿 人権侵犯と認定 大阪法務局」というNHKの記事(2023年10月)を否定した。 杉田氏は、NHK記事を引用した別アカウントに返信する形で「残念ながらこのNHKの記事、事実とは程遠いです。そもそも『民族衣装のコスプレおばさん』なんて投稿していませんし」などと主張している。 2024年5月7日時点で、杉田氏のポストは180万回以上の視聴と3600回のリポストがあり、引用元のコメントにも37万回以上の閲覧がある。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、杉田氏が「民族衣装のコスプレおばさん」と投稿したかどうかを調べた。 「大阪法務局が杉田氏を人権侵犯と認定」と各社が報

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「日本政府がコロナワクチン接種者の献血を禁止」は誤り 接種から一定期間経過すれば献血できる【ファクトチェック】

「日本政府がコロナワクチン接種者の献血を禁止」は誤り 接種から一定期間経過すれば献血できる【ファクトチェック】

日本政府がコロナワクチンを接種した人の献血を禁止するという言説が拡散しましたが、誤りです。日本赤十字社では接種から一定期間が経過すれば献血を受け入れています。「ワクチン接種者の献血禁止」は繰り返し拡散しています。 検証対象 2024年5月1日、X(旧Twitter)で、「日本政府はワクチンを接種した人の献血を禁止。"汚染された血液"」というコメントと、岸田文雄首相の写真を付けたポストが拡散した。ポストは、科学者を名乗る人物の英文の投稿「Japan to ban vaccinated people from donating ‘tainted blood’」を引用している。 5月7日から8日にかけてこの投稿はXによって削除されたが、120万を超える閲覧数があり、「80%の日本人のは、もう献血できない」「日本赤十字社どうするんだろうね?」 と言ったコメントがついたほか、「こないだ献血しましたよワクチン2回と問診にこたえてますが」という投稿に疑問を投げかけるコメントもあった。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、厚生労働省医薬局血液対策課に取

By 宮本聖二
政治関連の偽・誤情報の拡散/SNS規制求める声/AIがもたらす危機【注目のファクトチェック】

政治関連の偽・誤情報の拡散/SNS規制求める声/AIがもたらす危機【注目のファクトチェック】

✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 衆院補選の影響もあり、政治関連の偽・誤情報が拡散しました。こういった状況を受けて、各社の世論調査ではSNS規制を求める声が高まっています。法的な規制には、言論の自由への悪影響も懸念されており、慎重な議論が必要ですが、同時にAIなどで広がる危機への素早い対策も求められています。 JFCのファクトチェック記事 「衆院補選、8時に当確はおかしい、不正選挙だ」は誤り 衆院補選について「開票が始まっていないのに当確が出たのは不正選挙」という言説が拡散しましたが、誤りです。報道各社が事前取材と有権者への調査などに基づいて投票締め切り直後に当選確実を報じたもので、一般的な手法です。 「衆院補選、8時に当確はおかしい、不正選挙だ」は誤り 出口調査や事前の取材によるゼロ票打ち【ファクトチェック】衆院補選について「開票が始まっていないのに当確が出たのは不正選挙」という

By 宮本聖二, 古田大輔(Daisuke Furuta)
(動画)「トランプ前大統領が『岸田首相はグローバリストの操り人形』と発言」は誤り 生成AIによる映像【ファクトチェック】

(動画)「トランプ前大統領が『岸田首相はグローバリストの操り人形』と発言」は誤り 生成AIによる映像【ファクトチェック】

トランプ前大統領が「岸田首相はグローバリストの操り人形でビジョンもリーダーシップもない」と発言している動画が拡散しましたが、誤りです。AIによって作られた音声と映像です。 検証対象 2024年4月29日に、X(旧Twitter)でアメリカのトランプ前大統領が岸田首相をおとしめるような言葉を語る動画が拡散した。この25秒の動画の中でトランプ氏は、「日本の総理大臣の岸田文雄は、大変災難なことに、グローバリストの操り人形(パペット)にすぎず、ビジョンもリーダーシップのスキルもない、日本を愛するナショナリスト安倍晋三とは大違いだ」などと英語で話している。 この動画と内容をテキストにした投稿は、71万を超える閲覧、2800以上のリポストがある。「バイデンのいいなりだ」「その通り」など賛同の書き込みがある一方で「言ってることは良いけど音声とリップシングが少し同期外れる瞬間があるね」「AIだろAI」などと指摘する書き込みも多い。 検証過程 この25秒の動画は途中に4ヶ所の編集点があって、5つのカットがつなぎ合わされている。注意して見ていくと同じ5秒ほどのカットが繰り

By 宮本聖二
「大阪では8%以上が高校に進学せず中学が最終学歴」は誤り 大阪府の統計では98%以上が進学【ファクトチェック】

「大阪では8%以上が高校に進学せず中学が最終学歴」は誤り 大阪府の統計では98%以上が進学【ファクトチェック】

「大阪では高校に進学せず中学が最終学歴になる生徒が既に8%を超えている」という言説が拡散しましたが、誤りです。2023年度の大阪府の統計によると、中学校卒業者の高校等進学率は98.5%です。 検証対象 2024年4月27日、X(旧Twitter)で「大阪では高校に進学せず中学が最終学歴となる生徒が既に8%超え」というポストが拡散した。併せて「数年先には確実に10%を超えると言われている」「1割もの生徒が高校に進学しないなんて大阪だけ」とも主張し、大阪府の教育行政を批判している。ポストには吉村洋文・大阪府知事のニュース記事のリンクも付いている。 拡散したポストは約3000件のリポストを獲得し、15万回以上表示されている。 リプライや引用リポストでは大阪維新の会の政策を批判する意見が多数ある一方で、出典を示すように求める声もある。 検証過程 大阪府が2024年1月に公開した「令和5年度(2023年度)大阪の学校統計」の「II 卒業後の状況調査」では、2023年度の大阪府の高等学校等進学率は98.5%(男子98.5%・女子98.6%)で、前年比0.1ポイン

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
(画像)「トランプ氏が『キシダというのはどこがいいんだ?』と発言」は不正確 文脈無視の切り抜きでミスリード【ファクトチェック】

(画像)「トランプ氏が『キシダというのはどこがいいんだ?』と発言」は不正確 文脈無視の切り抜きでミスリード【ファクトチェック】

米国のトランプ前大統領が、2024年4月24日(日本時間)に自民党の麻生太郎副総裁と会談した内容について「キシダというのはどこがいいんだ?」と発言したとする画像が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。発言には続きがあり、投稿はテレビ番組の一部を切り取っています。 検証対象 2024年4月28日、米国のトランプ前大統領が、麻生副総裁との会談で「岸田のどこがいい?」と発言したとする言説がX(旧Twitter)で拡散した。投稿には、テレビ画面のような画像が添付され、右上に「日曜報道」とロゴがある。 画面には麻生氏が「岸田首相をよろしく」と述べ、トランプ氏が「シンゾーは素晴らしかった でもキシダというのはどこがそんなにいいんだ?」と返している様子が描かれている。 このポストは4000件以上のリポストを獲得し、630万回以上表示された。リプライや引用リポストで「バイデン民主党の下僕がトランプ大統領に気に入られるはずがない」「トランプも流石に岸田の無能さとそれを信じ続ける無能な国民に呆れてんだろうね」などと岸田首相を批判するコメントが相次ぐ一方で、「切り取り」と指

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「『条』の『木』を『ホ』と書くのは中国の表記で日本語ではない」は誤り 常用漢字表にも記載【ファクトチェック】

「『条』の『木』を『ホ』と書くのは中国の表記で日本語ではない」は誤り 常用漢字表にも記載【ファクトチェック】

「9条で世界平和を」と訴える横断幕について、「条」という漢字の書き方が日本語ではなく中国で使われる「簡体字」ではないかとの言説が広まりましたが、誤りです。横断幕の「条」の部首は「木」でなく「ホ」と書かれていて簡体字と一致しますが、日本の「常用漢字表」でも記載されています。 検証対象 2024年4月21日、X(旧Twitter)で「9条の『条』に注目」というコメントと共に、「9条で世界平和を」と書かれた横断幕の画像が拡散した。画像の「条」の文字は、部首の「木」が「ホ(縦の棒ははねている)」と表記されている。 このポストは18万回以上表示され、700件以上リポストされている。このポストのリプライや引用リポストには「日本人ではない漢字使い」「中国共産党の指示が裏にあるんですかねぇ」「中国の工作員ですね」などといったコメントが付き、部首の「木」を「ホ」と表記することは、日本の書体では誤りで、

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「遺族厚生年金が廃止」は誤り 制度改正を議論しているが廃止の検討ではない【ファクトチェック】

「遺族厚生年金が廃止」は誤り 制度改正を議論しているが廃止の検討ではない【ファクトチェック】

「遺族年金廃止とか馬鹿じゃないの?」という言説が拡散し、Xのトレンドにも入りましたが誤りです。引用されたNHKの記事は2023年7月のもので、遺族厚生年金受給の男女差について2025年に向けて議論を始めるという内容です。 検証対象 2024年4月23日、「遺族年金廃止とか馬鹿じゃないの?」という言説が拡散した。その後、遺族年金を巡って様々な投稿が拡散し、Xで「遺族年金」がトレンド入りした(例1、例2)。 投稿には、2023年7月のNHKの記事「『遺族厚生年金』再来年の制度改正に向け議論へ 厚労省審議会」のリンクがついている。 拡散したポストは4月30日現在で5500件以上リポストされ、表示回数は55万回を超える。遺族年金について「頭おかしい」「なんでこんなことになるんだ」というコメントの一方で「選挙前の不安煽り」という投稿もある。 検証過程 遺族年金とは 遺族年金とは、一家の生計の中心者である被保険者が死亡した時、その人によって生計を維持していた遺族に支給される年金だ。「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなった人の年金加入状況や、受けと

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「ドイツ政府、新型コロナ・パンデミックはなかったと認める」は誤り ドイツ大使館が否定【ファクトチェック】

「ドイツ政府、新型コロナ・パンデミックはなかったと認める」は誤り ドイツ大使館が否定【ファクトチェック】

「ドイツ政府が新型コロナ・パンデミックはなかったと認めた」とする言説が拡散しましたが、誤りです。ドイツ大使館が否定しました。また、情報の発信者は誤情報の発信を繰り返すサイトです。 検証対象 2024年4月4日、「ドイツ政府、パンデミックは存在しなかったと認める」とする投稿が拡散した。この投稿は2024年4月30日現在、146万回以上の表示回数と3600件以上のリポストを獲得している。 検証過程 拡散した投稿はThe People’s Voice(TPV)というサイトの記事「German Gov’t Admits There Was No Pandemic(ドイツ政府がパンデミックはなかったと認める)」を引用している。 記事は「ドイツ政府のデータによると、パンデミックはまったくなく、悲惨な結果をもたらす実験用ワクチンを大衆に受け入れさせるために綿密に仕組まれた軍事級の心理作戦が行われただけだった」と伝えている。 TPVは「大手メディアの扱わないニュースを扱うことで読者に真実を伝える」と自称するサイトで、米国に拠点を置く。日本ファクトチェックセンター

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「衆院補選、8時に当確はおかしい、不正選挙だ」は誤り 出口調査や事前の取材によるゼロ票打ち【ファクトチェック】

「衆院補選、8時に当確はおかしい、不正選挙だ」は誤り 出口調査や事前の取材によるゼロ票打ち【ファクトチェック】

衆院補選について「開票が始まっていないのに当確が出たのは不正選挙」という言説が拡散しましたが、誤りです。報道各社が事前取材と有権者への調査などに基づいて投票締め切り直後に当選確実を報じたもので、一般的な手法です。 検証対象 4月28日午後8時、3つの選挙区で実施された衆院補選で、投票締切時刻の夜8時に報道各社が当選確実を出したことから「開票が始まっていない段階の当確はおかしい」「不正選挙」だという言説が拡散しました。 当確が出た直後から、SNSには「ハッシュタグ不正選挙」がついた投稿が次々と広がった。開票されていないのに当選確実が出るのはおかしいという内容のほか、「ある候補が落ちるのはあり得ない、票の操作が行われた」などの書き込みも数多くある(例1、例2)。 検証過程 投票締め切り直後の当確報道 今回の3つの衆院補選の結果は以下の通りだ(東京15区は当選者と次点の立候補者のみ)。当選者と他候補とは大きく差が開いた。 東京15区 酒井菜摘   4万9476票  須藤元気  2万9669票 島根 1区  亀井亜紀子  8万2691票  錦織攻政  5

By 宮本聖二
衆院補選をめぐる偽情報/政治家のなりすまし/コミュニティノートの効果【注目のファクトチェック】

衆院補選をめぐる偽情報/政治家のなりすまし/コミュニティノートの効果【注目のファクトチェック】

✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 2024年4月22-28日のファクトチェック週報です。4月28日に投開票が行われる衆院補選をめぐって様々な誤情報/偽情報が拡散しました。詐欺サイトに誘導する政治家のなりすましアカウントが今も次々に出現しています。新型コロナワクチンの誤情報に関してコミュニティノートが正確に機能しているという研究も。 JFCのファクトチェック記事 四国の地震で過去映像など拡散 2024年4月17日深夜、豊後水道を震源とする大きな地震が発生し、愛媛県と高知県で震度6弱を観測しました。地震発生後、無関係な過去の映像や画像が拡散しました。これは被害状況の把握や避難、救護活動に悪影響を及ぼしかねません。 四国の地震で過去映像など拡散 画像検索などで確認を2024年4月17日深夜、豊後水道を震源とする大きな地震が発生し、愛媛県と高知県で震度6弱を観測しました。地震発生後、無関係

By 宮本聖二, 古田大輔(Daisuke Furuta)