日本ファクトチェックセンター (JFC)

 

最新の記事

シンポジウム「AI時代の民主主義を守る:偽情報・ディープフェイクへの処方箋」開催へ 【申込みはこちら】

シンポジウム「AI時代の民主主義を守る:偽情報・ディープフェイクへの処方箋」開催へ 【申込みはこちら】

日本ファクトチェックセンターは4月2日、「AI時代の民主主義を守る:偽情報・ディープフェイクへの処方箋」をテーマに情報インテグリティシンポジウムを開催します。昨年に続き2回目。電通総研との共催です。 シンポに先立ち、こちらも昨年に続いて電通総研と「情報インテグリティ調査」を実施しました。偽・誤情報、ファクトチェック、メディアリテラシーの現状や課題など幅広く調査した結果を発表します。 研究者やメディア関係者などによるパネル討論も開催します。会場の席数が限られているため、ご関心の方はオンライン視聴でお申し込みください。 プログラムと申し込み窓口は下記の通りです。 プログラムと登壇者 14:00-14:05 開会あいさつ 中川 真由美(株式会社電通総研 Quality of Societyセンター 部長) 14:05-14:25 基調講演1: 「真偽検証への意識と行動の乖離:情報インテグリティ調査2026」  発表:鷲見 圭祐(株式会社電通総研 Quality of Societyセンター 研究員)  ビデオコメント: 山口 真一氏(国際大学グローバル・コミュニケーション・

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
AIの嘘をAIで見破れるか? 総務省「偽情報対策」14団体の成果と課題

AIの嘘をAIで見破れるか? 総務省「偽情報対策」14団体の成果と課題

偽・誤情報へのテクノロジーを活用した対策を発表するイベントが3月16日、都内で開かれました。技術開発に予算をつける総務省の事業で、公募で採択された14の企業や団体が参加し、研究成果を発表しました。生成AIによるディープフェイクなどが巧妙化する中、技術的な対策は国内でどこまで進んでいるのか。それぞれの取り組みと課題について紹介します。 (参加した企業・団体の一覧は記事末尾) 総務省の対策技術開発事業とは 総務省の「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」は2024年度開始。ネット上で大量に拡散する偽・誤情報に人力だけで対抗することは不可能なため、有効な技術開発を推進する狙いです(総務省”インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業(令和7年度)”)。 今回の事業で、偽・誤情報への対策技術は4つに分類されています。 コンテンツの真偽判別支援・改ざん検知技術 情報の受信者がネット上の情報が本物か、改ざんされていないか見極めることの支援 真正性保証・信頼性判断支援技術 情報コンテンツの作成者・発信者が本物であることを示し、情報

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
日本のインフレ率が世界トップ? IMF2026年予測で下位、OECD実績でもG7中5位【ファクトチェック】

日本のインフレ率が世界トップ? IMF2026年予測で下位、OECD実績でもG7中5位【ファクトチェック】

「日本のインフレ率が世界トップらしい」という言説が拡散しましたが、誤りです。国際通貨基金(IMF)の2026年予測では日本は190か国中で下位、OECDによるG7実績の比較でも5位。世界一という実態からかけ離れています。 検証対象 拡散した言説 2026年3月20日、「日本のインフレ率、どうやら世界のトップらしい」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 3月24日現在、投稿は6000回以上リポストされ、表示は44万件を超える。 投稿には「嘘はいけない」「日本のインフレ率が世界一?お前そんな認識で投資家名乗ってんの?」などの指摘もあるが、「インフレに加えて社会保険料も毎年上がってますからね…」「本当にふざけてる」など同調するコメントが多いため、検証する。 検証過程 インフレ率とは IMFのウェブサイトによると、インフレ率とは次の通りだ。 「インフレとは、一定期間における物価の上昇率のことです。インフレは通常、物価全体の上昇や国内の生活費の上昇など、広範な指標として用いられます。しかし、食料品などの特定の財や、散髪などのサービスに限定して

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
高市首相の台湾有事発言で中国の台湾侵攻計画が遠のいた? 米報告書は両者を別々に書いている【ファクトチェック】

高市首相の台湾有事発言で中国の台湾侵攻計画が遠のいた? 米報告書は両者を別々に書いている【ファクトチェック】

高市早苗首相の台湾有事発言によって、中国の台湾侵攻計画が遠のいたという報告書を米国政府が出したという情報が拡散しましたが、誤りです。報告書は高市発言と侵攻計画にそれぞれ触れていますが、両者を結びつけていません。二つの事柄を並べた見出しが誤読を招いています。 検証対象 拡散した投稿 2026年3月、時事通信の「『中国、27年の台湾侵攻計画せず』 高市首相発言は重大転換―米報告書」という記事を引用し、「戦争止めてるじゃん」「高市総理が戦争止めてんじゃねーか!」といった投稿が拡散した(例1、例2)。 検証する理由 拡散した投稿には、5200件以上リポストされ、683万回以上表示されているものもある。投稿について「言葉でも抑止力なるということですね」「サナ、戦争止めてくれた」というコメントの一方で「これ書き方どうなの?」という指摘もある。 検証過程 高市首相、台湾有事を「存立危機事態になりうる」と発言 2025年11月7日、高市首相は衆院予算委員会で、台湾をめぐってどのような状況が、日本の「存立危機事態」にあたるのかという質問に「戦艦を使って、武力

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
日本のスーパーでムスリムが小便をまき散らす? 海外で何度も拡散している偽動画【ファクトチェック】

日本のスーパーでムスリムが小便をまき散らす? 海外で何度も拡散している偽動画【ファクトチェック】

日本のスーパーの精肉売り場で小便をまき散らすムスリムがいたと主張する動画投稿が拡散しましたが、誤りです。動画の撮影場所はヨーロッパで、日本ではありません。制作者が偽動画と認めたという報道もあります。この動画は2023年から、欧州の極右政党の政治家らによって、反イスラムや反移民の文脈で投稿されています。 検証対象 拡散した言説 2026年3月12日、「日本のスーパー 食肉店に 小便を撒き散らす イスラム人」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 3月17日現在、投稿は2800回以上リポストされ、表示は46.7万件を超える。 投稿には「日本じゃないだろ」などの指摘もあるが、「捕まえて強制送還して下さい」や「店はこれで堂々とイスラム出禁にできるわけだね」など真に受けたコメントも多いため、検証する。 検証過程 動画の撮影地は欧州 拡散した投稿には、スーパーの精肉売り場で商品に放尿しているように見える男性の後ろ姿が映った9秒の動画が付いている。 動画では、撮影者と見られる男性が、オランダ語と英語で「おい、お前ちょっと過激すぎるだろ。豚肉を食べた

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
テクノロジーでいかに偽・誤情報に対処できるか/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

テクノロジーでいかに偽・誤情報に対処できるか/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

生成AIによるディープフェイクの氾濫など、偽・誤情報問題は人間の検証だけでは全く手に負えなくなっているということは、これまでもこのニュースレターなどで何度も触れてきました。 メディアリテラシー教育で一人ひとりの対処能力を引き上げること、法的な規制など様々な対策を重層的に実施する必要があります。中でも重要な鍵の一つがテクノロジーを活用した対策です。 しかし、開発には資金が必要ですし、売り物になるかはわからないとなると作り手も躊躇します。そこで総務省が予算をつけて実施したのが「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」。3月17日にその成果を発表するイベントが都内で開かれました。 関連ニュースでも紹介しましたが、大企業だけでなく、大小のスタートアップ企業など事業に採択された14の企業や団体が偽・誤情報の検知や検証や分析、また、教育ツールなどを発表しました。 こういったツールは使われて初めて意味があります。残念ながらテクノロジーによって情報環境が悪化していく中で、どのようにしてより良い社会のためのテクノロジーを開発・普及させていくのか。 ファクトチェッ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
日本政府がイラン国民のビザを無期限に延長? 対象は帰国困難になった外国人への対応【ファクトチェック】

日本政府がイラン国民のビザを無期限に延長? 対象は帰国困難になった外国人への対応【ファクトチェック】

日本政府がイラン国民のビザを無期限に延長という投稿が拡散しましたが不正確です。帰国が困難な外国人への措置は発表されていますが、日本にいる外国人に向けた措置で、拡散した投稿にあるようなビザの無期限延長ではありません。 検証対象 拡散した投稿 2026年3月10日、「日本政府がイラン国民のビザを無期限に延長するんだって。リプで海外の人から日本政府ボロクソに言われてるじゃねーか」という投稿が拡散した。 投稿は「日本政府は、イラン国民のビザを無期限に延長すると発表しました ドイツ2.0になろう」という英文投稿を引用している。 検証する理由 3月18日現在、この投稿は6300件以上リポストされ、表示回数は72万回を超える。投稿について「どこかで戦争が起きるとその国からの移民受け入れちゃうのそろそろやめよう」「国内、海外、どこから誰が見てもおかしい政策」というコメントの一方で「信頼できるソースで確認されましたか?」という指摘もある。 検証過程 拡散した投稿には「日本政府がイラン国民のビザを無期限に延長」とある。しかし、3月18日現在、そのような情報や報道

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
イラン、日本が自衛隊派遣をしない条件でホルムズ海峡の通過を認める方針? まとめサイトの記述のみ【ファクトチェック】

イラン、日本が自衛隊派遣をしない条件でホルムズ海峡の通過を認める方針? まとめサイトの記述のみ【ファクトチェック】

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃の影響で、ホルムズ海峡が封鎖状態となる中で、イランは、日本政府が自衛隊派遣をしないことを条件に、ホルムズ海峡の通過を認める方針だという投稿がXで拡散しましたが、誤りです。投稿が参照した記事にそのような内容は書かれておらず、3月18日午前9時現在、該当する関係国からの発表や報道はありません。 検証対象 拡散した言説 2026年3月16日、「イラン、日本政府が自衛隊派遣をしない条件でホルムズ海峡の通過を認める方針」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 3月17日現在、投稿は5700回以上リポストされ、表示は612.9万件を超える。 投稿には「ウソ」「デマ」などの指摘もあるが、「これが本当なら日本の原油は大丈夫ですね」「中道の小川さんがイランと交渉したからね。高市さんのお手柄では無いよ」など真に受けたコメントも多いため、検証する。 検証過程 参照元の記事に該当する情報なし 検証対象の投稿には、まとめサイト「Tweeter Breaking News —ツイッ速!」の記事へのリンクが付いている。 タイトル

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
政府や当事者の発表を100%信頼できるわけではない/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

政府や当事者の発表を100%信頼できるわけではない/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

アメリカとイスラエルが攻撃しているイランに関する偽・誤情報は、引き続き大量に拡散しています。AIによるディープフェイクが氾濫し、検証が全く追いつかない状況にも変わりありません。 こういうとき、「ソーシャルメディア上の出所不明の情報ではなく、信頼性の高い情報源を確認しましょう」と呼びかけるのが一般的です。日本ファクトチェックセンター(JFC)でも、そうしています。 しかし、その対策にも大きな弱点があります。「信頼性の高い情報源」と言えども、100%頼れるわけではない点です。 例えば、イランの女子学校が攻撃され、160人を超える児童や教員が死亡したとされる事案(犠牲者数は報道によって異なる)について、トランプ大統領は3月7日、「イランによるものだ」と主張しました。 しかし、米メディア「ワシントン・ポスト」や調査報道組織「ベリングキャット」などは、現地の映像から周囲への攻撃が米国が使用しているトマホークミサイルによるものと報じました(The Washington Post. "Video appears to show U.S. Tomahawk hit naval ba

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
ENEOS、出光興産、コスモ石油がロシアからの石油輸入を再開? 3社が否定【ファクトチェック】(追記あり)

ENEOS、出光興産、コスモ石油がロシアからの石油輸入を再開? 3社が否定【ファクトチェック】(追記あり)

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃の影響で、ホルムズ海峡が封鎖状態となるなかで、「ENEOS、出光興産、コスモ石油などの日本の主要な石油会社が、ロシアからの石油輸入を再開した」という投稿が拡散しましたが、誤りです。日本ファクトチェックセンターの取材に対し、3社は質問の時点でそのような事実はないと否定しました。 検証対象 拡散した投稿 2026年3月9日、「ENEOS、出光興産、コスモ石油などの主要な日本の石油会社は、イランによるホルムズ海峡封鎖への対応として、ロシア🇷🇺からの石油輸入を再開しました。ロシアのプーチン大統領、ロシアの皆さんありがとうございます」という投稿が拡散した。 拡散した投稿は、英語で同様の内容を書いた投稿を引用している。 検証する理由 3月10日時点でこの投稿は2900件以上リポストされ、表示回数は86万回を超える。投稿について「プーチンありがとう」「ホント、ロシアさん有り難う」というコメントの一方で「これソース見つからんのだけんど」という指摘もある。 検証過程 2月28日、アメリカはイスラエルと共にイランへ大規模な

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
岸田文雄元首相がWBCを観戦? 画像は2025年のプロ野球【ファクトチェック】

岸田文雄元首相がWBCを観戦? 画像は2025年のプロ野球【ファクトチェック】

元首相の岸田文雄衆院議員が球場でWBCを観戦したと主張する画像付き投稿が拡散しましたが、誤りです。画像は2025年に岸田氏がプロ野球の試合を観戦した際の写真です。岸田事務所は観戦を否定しています。 検証対象 拡散した投稿 2026年3月10日、「中道改革連合の小川代表❗️岸田さんは、おとがめなしなのですか❓」という投稿が拡散した。画像には、岸田氏が野球場の観戦席のようなところで手を叩いている様子が写っている。 検証する理由 3月13日現在、この投稿は4200件以上リポストされ、表示回数は181万回を超える。投稿について「こりゃ現地観戦してますね」「岸田さんもいたの?」というコメントの一方で「昨年の巨人、広島戦」という指摘もある。 検証過程 3閣僚がWBCを球場で観戦 イランで戦闘が続く中、3月5〜10日にかけて東京ドームでワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドがあった。 高市早苗首相は7日の日本-韓国戦の始球式に参加する方向で調整していたが、見送った(テレビ朝日.”高市総理 WBC始球式への参加見送り イラン情勢受け最

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)