日本ファクトチェックセンターは国際ファクトチェックネットワークに加盟しました!

日本ファクトチェックセンターは国際ファクトチェックネットワークに加盟しました!

誤情報対策の分野で世界的に影響力がある「国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)」の加盟団体として、日本ファクトチェックセンター(JFC)が認証されました。IFCNへの加盟が認められることは、ファクトチェック団体として高い評価を得たことを意味し、国際的なネットワークの一員として、活動へのサポートを得ることになります。

加盟団体は世界で120、JFCは審査で高い評価

アメリカ・フロリダ州のジャーナリズム研究機関「ポインター研究所」を拠点とするIFCNは、誤情報対策で世界をリードしています。より効果的なファクトチェックのあり方について情報発信し、世界中で情報の検証に従事する団体をネットワーク化してきました。

IFCNの公開リストによると、活動中のIFCN加盟団体は5月31日現在、JFCを含めて120団体です。加盟にはIFCNが公開するファクトチェック5原則の遵守や実際に検証記事を公開してきた活動実績が必要で、IFCNの委託を受けた有識者の評価を経て、認証されます。

画像

JFCは2022年10月1日に正式発足しました。半年間の活動実績をもって3月に登録申請し、5月31日に認証の知らせを受けました。申請内容や結果は公開されており、「細部まで丁寧に仕事をし、IFCNのガイドラインのほとんどを遵守しており、強く推薦する」と高い評価を得ています。日本からは認定NPO法人「InFact」が5月18日に加盟したのに続いて2番目となります。

コロナやウクライナでの国際的な連携

加盟団体はこれまで、協力して新型コロナウイルスやウクライナに関する誤情報/偽情報対策に取り組むなど、世界的なネットワークを生かしたコラボレーションに取り組んできました。

画像

また、加盟団体はIFCNを通じて様々な経済的・技術的な支援を受けることが可能となり、検証能力のさらなる向上が期待されています。JFCは活動半年で80本、5月末までに100本の検証記事を公開してきましたが、今後はさらに記事本数を増やすとともに、ファクトチェックやリテラシーを学ぶオンライン教材も公開していきます。

JFCは、IFCNが6月末に韓国・ソウルで開催するファクトチェックの国際イベントGlobal Factにも参加します。IFCN加盟をきっかけに、国境を超えて拡散する誤情報/偽情報に対抗する国際的な連携を強化していく予定です。

検証手法や判定基準などに関する解説は、JFCサイトのファクトチェック指針をご参照ください。

「ファクトチェックが役に立った」という方は、シェアやいいねなどで拡散にご協力ください。誤った情報よりも、検証した情報が広がるには、みなさんの力が必要です。

X(Twitter)FacebookYouTubeInstagramなどのフォローもよろしくお願いします。またこちらのQRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、真偽が気になる情報について質問すると、AIが関連性の高い過去のJFC記事をお届けします。詳しくはこちらの記事を

もっと見る

「熊本知事選で不正開票」は誤り 開票率ゼロでも当選確実と報じることはある【ファクトチェック】

「熊本知事選で不正開票」は誤り 開票率ゼロでも当選確実と報じることはある【ファクトチェック】

「熊本知事選の開票で不正があった」などという言説が開票速報の動画とともに拡散しましたが、誤りです。報道各社が事前の取材と開票所の出口調査などに基づいて、投票を締め切った直後に当選確実を報じたもので、一般的な選挙報道の手法です。不正ではありません。 検証対象 2024年3月24日投開票の熊本県知事選挙について不正があったという言説が、地元テレビ局「RKK熊本放送」の開票速報の映像とともに拡散した。「熊本県知事選の不正発覚の瞬間」「熊本知事選!不正発覚の瞬間を撮ってる人がいました!!」などのX(旧Twitter)の投稿には開票速報のTikTok動画が添付されている。 TikTok動画にはRKK熊本放送の開票速報特番の冒頭部分が映っている。熊本市内の開票所から中継しているアナウンサーが「開票は9時15分から始まる」と伝えた直後に、場面がスタジオに切り替わる。途中で、右下に候補者の陣営からの中継映像も入り、キャスターが「どうやら、他の局の一部の報道で…」と言いかけた後、「RKKでは木村さんに当選確実を打ちました」と伝えている。 TikTokの投稿には「不正開票の瞬

By 宮本聖二
「(画像)モスクワのテロ攻撃容疑者が特定され、全員がウクライナ国民」は誤り 拡散したID画像は無関係で国籍はタジキスタン【ファクトチェック】

「(画像)モスクワのテロ攻撃容疑者が特定され、全員がウクライナ国民」は誤り 拡散したID画像は無関係で国籍はタジキスタン【ファクトチェック】

「モスクワでのテロ攻撃の容疑者が特定され、全員がウクライナ国民」だとする言説が、複数の顔写真の画像とともに拡散しましたが誤りです。顔写真はいずれもテロ事件以前にネット上に公開された画像を集めたものです。現地メディアは、起訴された4人はタジキスタン人だと報道しています。 2024年3月24日、「モスクワのテロ事件で拘束された4名の全員が、ウクライナ国籍であることが明らかに‼️」というコメントとともに、4人の顔写真付きのIDカードやパスポートなどに見える画像が拡散した。画像の上部にはウクライナ語と英語でウクライナと書かれている。 2024年3月25日現在、このポストは900件以上リポストされ、表示回数は63万件を超える。返信欄では「そりゃまあそうじゃないかね」という同調の声の一方、「別の記事から写真を流用した捏造」「顔違うんだが」などの反応があった。 検証過程 2024年3月22日、ロシアの首都モスクワ近郊のコンサートホールで、迷彩服を着た武装集団による銃撃事件や火災が発生。3月24日時点で130人を超える死者が出ている(ロイター通信)。 3月24日、ロシア

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
日本年金機構を騙り電話で偽のマイナポータルに誘導する手口 デジタル庁が注意喚起

日本年金機構を騙り電話で偽のマイナポータルに誘導する手口 デジタル庁が注意喚起

日本年金機構を騙り「年金の二重払いがある」「返金の書類を送ったが返信がない」と電話をかけ、偽のマイナポータルサイトへの登録を促す事案が相次いでいます。デジタル庁が注意を呼びかけています。 日本年金機構を騙る非通知電話 2024年3月上旬ごろからX(旧Twitter)で「日本年金機構から非通知で電話がかかってきた」という投稿が相次いでいる。 複数の投稿をまとめると「二重払いが発覚し返金するための書類を郵送したが返事がない。LINE経由でマイナポータルに登録してほしい」などの内容だという。なかには「自分のフルネームを知っていた」「アメリカからの電話だった」という投稿もある。 デジタル庁や日本年金機構が注意喚起 デジタル庁は2024年3月26日、ウェブサイトで「【注意喚起】年金事務所を騙り、マイナポータルの偽サイト・偽アプリへの誘導される事案について」と注意を呼びかける案内を公開した。 デジタル庁は不審な事案を以下のようにまとめている。 * 年金事務所を騙る電話があり、年金手続の期限が近いのでマイナポータル(実証ベータ版)から手続きするように誘導 *

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
誤った情報、5割超の人が「正しい」 2万人調査結果を公開へ 4月16日にシンポ

誤った情報、5割超の人が「正しい」 2万人調査結果を公開へ 4月16日にシンポ

日本ファクトチェックセンター(JFC)は国際大学グローバルコミュニケーションセンター(GLOCOM)と、日本で拡散する偽情報について2万人超を対象とした大規模調査を実施しました。誤った情報をそれぞれ約半数が「正しい」と捉えており、その影響は深刻です。調査の詳細を発表し、政治・メディア・プラットフォームなど業界を超えて対策を議論するシンポジウムを4月16日に開催します。 偽・誤情報は年代問わず非常に高い接触率「見たことがない人はいないだろう」 JFCと国際大学GLOCOMの「偽・誤情報、ファクトチェック、教育啓発に関する調査研究」では、2024年2月にアンケート調査を実施、15〜69歳の2万人を対象に実際に日本で拡散した15の偽・誤情報を見てもらい、そのうち一つ以上を見聞きしたことがある人3700人、いずれも知らない人1300人の合計5000人に本調査を実施した。 15の偽・誤情報は政治、医療・健康、戦争・紛争、多様性という4テーマから選び、政治はさらに保守系が有利になる情報とリベラル系が有利になる情報に分類し、各3本を選んだ。それぞれについて見たことがあるか

By 古田大輔(Daisuke Furuta)